「わかる共形変換」から続く、手を動かす記録
解説シリーズではありません。自由研究です。 仮説を選んで、自分で計算して、合っているか確かめて、間違えたら間違えたと書く。 量子重力にはまだ答えがないので、答えの代わりに手続きを残します。
作用しか、見ていなかった
重力の経路積分は作用が下に非有界なので定義できない ── 40年以上そう言われてきた。 いちばん簡単な宇宙を離散にして数え直すと、三角形1個あたりのエントロピーは ちょうど ln 2。そして素の作用に運動項が一行も無いのに、数え上げから 正符号の運動項が生えます。図では数え上げの重みを負に倒して、 経路積分を自分の手で壊せます。 λ / ln2 > 1
1ティックに、1セル
この模型は厳密に解ける。母関数の1ステップが放物型メビウス変換になり、うまい変数 w = 1/(1−y) を取ると時間の1ティックがただの「+1」になる。答えは 平均 t+1 の幾何分布 ── ぴったりすぎたので疑ったら、 傾きの「1」は測り方の値でした。直線であることだけが物理です。 ⟨l⟩ = t+1 (測り方を変えると 2t+1)
因果律は、一手の禁止だった
三角形の張り替えを場合分けすると、許される手は1種類しか残りません ── 「因果的」が if 一行になる(受理率 0.335 ≒ 1/3 で裏取り)。 そして同じ一行が3つのことを決めていました:次元が 2 か 4 か、 物質の臨界指数が変わるか、そして スペクトル次元は動かない ── 量子重力で最も横断的に引用される量が、 いちばん弁別力が低い量でした。図では、あなたが因果律を切って時空から層を消せます。 作用は不変。動かしたのは測度だけ
どの仮説がいちばん矛盾していないか
弦理論・ループ量子重力・漸近安全性・CDT・Hořava ── 「共形モードをどう始末したか」で並べると、 それぞれの代償が一本の軸で説明できます。そして判定に本当に使える数字が一つあります: ブラックホールエントロピーの対数補正。同じ量を独立に計算して、 符号すら合っていません(ただし比べる前に、集団と ln a / ln A を 揃えないといけません ── ここで一度間違えました)。 +77/45 vs −2
c=1 の壁を、自分で叩く
2次元ユークリッド重力は、物質を載せると中心電荷 1 のところで壊れます ── 幾何が枝分かれポリマーに潰れる。これがユークリッド路線が行き詰まった直接の原因です。 CDT には壁が無いとされる ── 確かめるために体積が変わる CDT を書き、 4つの罠を踏みました(うち2つは、動いているように見えるのに 測っている対象が別物になるタイプ)。結果:DT は c≈1.5〜2 で折れて 2.5倍に伸び、 CDT は c=8 まで動かない。 壁は、因果律で消える
三次元へ ── 運動項を運んでいたのは誰か
2次元には天井がありました。曲率項が位相不変量なので、直すべき逆符号がそもそも無い。 それを試せる最初の次元が3次元です。四面体から CDT を組み、 手を五つ全部実装しました(因果律はまた「一手の禁止」で現れます ── 八面体の対角線三本のうち一本)。体積プロファイルの有効作用を測ると 運動項は正符号。さらに予測を立ててから殺しにいきました ── 運動項を運んでいるのは (2,2) 四面体で、消すと自明な相関しか残りません。 [2026-08-29 追記]この回の看板だった経験則 A·n̄ ≈ 3.9 q³ は 取り下げました ── 指数 3 は q の窓が狭かったせいで、 広げると A·n̄ = C(q−q_c)^θ(q_c = 0.06±0.03、θ = 2.55±0.30)。 A·n̄ = C(q−q_c)^2.55 ※ q³ は取り下げ