考える波 第 29 回 / 第 XI 部・仮説に決着をつける

自分の回を、自分で採点し直す

なぜ波の方程式は二階なのか ──
二階とは「両方向」のことだった 一階では振動できず、三階では暴走し、四階には負のエネルギーが住む。
そして帯の幅 2 は、★ 受動性とオストログラツキーが交互に決めていました ── 奇数階は前者が、偶数階は後者が落とす。
★ 本回は、このシリーズ自身の第 15 回を二か所 訂正します。

必要な道具:第 6, 11, 12, 15, 28 回計算:kenshou/nikai.js

第 28 回で鎖の底に残ったのは、これでした ── ★ 波の方程式は、なぜ二階なのか。
第 15 回では「物理は \(\alpha\in[-1/2,\,2]\) の狭い長方形に住む」と書き、下限は因果律・上限はオストログラツキーだと言いました。本回はこれを測り直します。

01一階だと何が起きるか ── 拡散は波にならない

時間について一階の代表 ── 拡散方程式 $$\frac{\partial u}{\partial t}=D\frac{\partial^2u}{\partial x^2}\quad\xrightarrow{\ e^{i(kx-\omega t)}\ }\quad -i\omega=-Dk^2\quad\Longrightarrow\quad \omega=-iDk^2$$

\(\omega\) が純虚数 ── 実部がない

01節の中心

\(\omega\) に実部がないので、振動できません。減衰だけ。
二階(\(\partial_t^2u=c^2\partial_x^2u\))なら \(\omega^2=c^2k^2\) で \(\omega=\pm ck\) ── 実数。だから振動できる。

もう一つの症状が伝播速度の無限大です。拡散の解 \(u=e^{-x^2/4Dt}/\sqrt{4\pi Dt}\) は、どんな \(t>0\) でも全 \(x\) でゼロではありません。

\(t\) [s]\(x\) [m]\(x^2/4Dt\)振幅の桁
\(10^{-9}\)1.02.5e+12\(10^{-1.1\times10^{12}}\)
\(10^{-3}\)1.02.5e+6\(10^{-1.1\times10^{6}}\)
\(10^{0}\)1.02.5e+3\(10^{-1086}\)

数学的には「無限の速さ」。でも 1 ns 後の 1 m 先は \(10^{-1.1\times10^{12}}\) ── 観測できる量ではありません(第 11 回で熱伝導について書いたのと同じ話)。

ただし公平のため ── 時間も空間も一階なら、波は出ます。\(\partial_tu+c\partial_xu=0\) は \(\omega=ck\)(実数)で、ちゃんと進む。★ ただし片方向だけ。

02★ 二階の正体 ── 「両方向」という意味だった

波動作用素は、一階の作用素二つに分解できる $$\frac{\partial^2}{\partial t^2}-c^2\frac{\partial^2}{\partial x^2}=\left(\frac{\partial}{\partial t}-c\frac{\partial}{\partial x}\right)\left(\frac{\partial}{\partial t}+c\frac{\partial}{\partial x}\right)$$

右向きの移流 × 左向きの移流

\((x,t)\)\(\Box g\) 直接因数分解から相対差
(0.2, 0.5)2.623602532.623592743.7e−6
(1.0, 0.3)−3.25306111−3.253055321.8e−6
(−0.7, 1.2)−0.39724006−0.397233331.7e−5

差分の打ち切り誤差の範囲で一致します。帰結は、初期の山ひとつが必ず左右 半分ずつに割れること(ダランベール)。波動方程式を数値で解いて確かめます。

\(c=1\)、5 秒後 $$\text{右の山: 高さ }0.49996,\ \text{位置 }+5.000\qquad \text{左の山: 高さ }0.49996,\ \text{位置 }-5.000$$

高さは 0.5(半分ずつ)、位置は \(\pm ct=\pm5.0\) の予言どおり

02節の中心

★★ 二階とは「両方向」のことでした。

一階(移流)なら山は割れず、高さ 1 のまま片方向へ進みます。── 二階が要るのは「両方向へ行けること」のためでした。

03一階のまま波にする唯一の道 ── 平方根をとると、スピンが生える

では「一階で、しかも両方向」は無理なのか。一つだけ道があります ── 波動作用素の平方根をとる。

ディラックのやり方 $$(i\gamma^\mu\partial_\mu)^2=\Box\qquad\Longleftrightarrow\qquad \{\gamma^\mu,\gamma^\nu\}=2\eta^{\mu\nu}I$$

この条件を満たす「数」は存在しません。行列が要る ── 何次の行列が要るか

まず \(2\times2\) を試します。パウリ行列 \(\sigma_1,\sigma_2,\sigma_3\) は互いに反交換します(数値でちょうど 0)。では 4 本目 \(M=aI+b\sigma_1+c\sigma_2+d\sigma_3\) は作れるか。

\(\{\cdot,\cdot\}\)\(\sigma_1\)\(\sigma_2\)\(\sigma_3\)
\(I\)\(2\sigma_1\)\(2\sigma_2\)\(2\sigma_3\)
\(\sigma_1\)\(2I\)00
\(\sigma_2\)0\(2I\)0
\(\sigma_3\)00\(2I\)

\(\{M,\sigma_1\}=0\) を課すと \(\sigma_1\) 列で消えねばならないので \(a=b=0\)。同じことを \(\sigma_2,\sigma_3\) でやると \(c=d=0\)。★ 4 本目は零行列だけ ── \(2\times2\) では 3 本が限界です。

\(4\times4\)(ディラック表示)で検算 ── 全 10 通り $$\max_{\mu\nu}\big|\{\gamma^\mu,\gamma^\nu\}-2\eta^{\mu\nu}I\big|=0.00$$

丸め誤差もゼロ(成分がすべて 0, ±1)

03節の中心

★★ 4 成分 ── これがスピンです。

「一階のまま両方向へ進みたい」と言った代償が、4 成分の内部自由度でした。反粒子(2 成分ぶん)も、ここで一緒についてきます。

04三階にすると何が壊れるか ── アブラハム=ローレンツ

放射反作用を古典的に書くと、三階微分が出る $$m(\ddot x-\tau_0\dddot x)=F,\qquad \tau_0=\frac{2e^2}{3\cdot4\pi\varepsilon_0mc^3}=\frac{2r_e}{3c}=6.2664\times10^{-24}\ \text{s}$$

\(F=0\)(力ゼロ)でも \(\ddot x=Ae^{t/\tau_0}\) という解が残ります ── 暴走解

経過時間\(t/\tau_0\)増幅率
\(\tau_0\ln2=4.34\times10^{-24}\) s0.6932.000
1 as159.6\(10^{69.3}\)
1 ps\(1.6\times10^{11}\)\(10^{6.9\times10^{10}}\)

数値積分(RK4)でも 2 倍になる時刻は \(4.3458\times10^{-24}\) s で、予言 \(\tau_0\ln2=4.3436\times10^{-24}\) と 5e−4 で一致します。暴走を避けようと境界条件を未来側で決めると、こんどは前加速が出ます(第 12 回)。

04節の中心 ── ただし公平のため

\(\tau_0=6.27\times10^{-24}\) s に対し、電子のコンプトン時間 \(\hbar/mc^2=1.29\times10^{-21}\) s。比は 206 倍 ── \(\tau_0\) は古典電磁気が通用しない領域の深く内側です。
だから「因果律が壊れた」のではなく「使ってはいけない所で使った」が正確です。

05★ 梯子で読むと、三階が壊れる理由が一行で出る

第 12 回で測った、一周期あたりに系へ入る仕事 $$W=\pi k\,\omega^\alpha|x|^2\sin\frac{\alpha\pi}{2},\qquad F=k\,D^\alpha x$$

インピーダンス \(Z=F/v\) の階数 \(\beta\) とは \(\beta=\alpha-1\)(\(v=i\omega x\) だから)

\(\alpha\)\(\beta\)部品数値 \(W\)意味
−0.5−1.5(禁止領域)−2.22144★★ 供給(能動)
0−1ばね0.00000無散逸
0.5−0.5★ ワールブルグ2.22144散逸
10ダンパ3.14159散逸
21質量0.00000無散逸
32★ 放射反作用−3.14159★★ 供給(能動)
43パイス=ウーレンベック0.00000無散逸

05節の中心

★★ \(\alpha=3\) で \(W\) が負 ── 系がエネルギーを受け取り続ける。これが 04 節の \(e^{t/\tau_0}\) の正体でした。
第 12 回の \(\sin(\alpha\pi/2)\) と、アブラハム=ローレンツの暴走が同じ一つのことだった。
★ そして\(\alpha=4\) は \(W=0\) ── 散逸の符号では捕まりません。これが 07 節の主題です。

06★★ 第 15 回の長方形を測り直す

受動性 ── 外へ出しこそすれ、湧き出させない $$\operatorname{Re}Z(\omega)\ge0\ \ (\forall\omega),\qquad Z=(i\omega)^\beta\ \Longrightarrow\ \operatorname{Re}Z=\omega^\beta\cos\frac{\beta\pi}{2}$$

符号は \(\cos\) だけで決まります

ここが本回の要点です ── 受動性が許すのは一つの帯ではありません。

★ 4 おきに、幅 2 の帯が並ぶ $$\cos\frac{\beta\pi}{2}\ge0\quad\Longleftrightarrow\quad \beta\in[-1,1]\cup[3,5]\cup[7,9]\cup\cdots$$

\(\beta=3\)(= \(\alpha=4\))は無損失なので受動性では落とせません。ここを落とすのがオストログラツキーです。★ つまり二つの定理が交互に効いています。

階数 \(\alpha\)受動性オストログラツキー結論
0ばね◯ 通す◯ 通す許される
1ダンパ◯ 通す◯ 通す許される
2質量・波動方程式◯ 通す(境界)◯ 通す★ 許される
3放射反作用★ 落とす──★ 禁止(暴走)
4パイス=ウーレンベック◯ 通してしまう★ 落とす★ 禁止(ゴースト)
5──★ 落とす──禁止

06節の中心

★★ 奇数階は受動性が、偶数階はオストログラツキーが落とす。

どちらか一方では足りません。第 15 回は上端の理由をオストログラツキーだけに帰していましたが、\(\alpha=3\) を落とすのは受動性のほうです。

そのうえで、第 15 回を採点します。

第 15 回の主張判定理由
長方形(幅 2 の帯)に住む◎ 正しい単位を揃えると \(\beta\in[-1,+1]\)
上端は 2△ 単位違い上端 \(\alpha=2\) は「方程式の階数」。\(\beta\) では \(+1\)
下端は \(-1/2\)× 誤り★ \(-1/2\) は「インピーダンスの階数」で、しかも端ではない
下端の理由は因果律× 誤り★ 因果律ではなく受動性。\((i\omega)^{-2}\) は因果的だが能動
上端の理由はオストログラツキー△ 半分\(\alpha=3\) を落とすのは受動性

何が起きていたか

長方形の両端を、別々の単位で測っていました。
下端 \(-1/2\):ワールブルグ = インピーダンスの階数 \(\beta\)
上端 \(+2\) :波動方程式 = 方程式の階数 \(\alpha\)(\(\beta\) では \(+1\))
ワールブルグの \(\beta=-1/2\) は端ではなく、帯のまん中あたりです。端に見えたのは「手持ちで一番 負だった」から ── 定理ではなく観測でした。

★★ 書き直した帯:\(\beta\in[-1,+1]\)(= \(\alpha\in[0,2]\))、虚部 ≈ 0。
両端は無損失、内側が散逸、外は物理ではない。幅はちょうど 2。

07四階を落とすのは誰か ── オストログラツキーを数値で見る

パイス=ウーレンベック振動子(四階の代表) $$L=\tfrac12\big[\ddot x^2-(\omega_1^2+\omega_2^2)\dot x^2+\omega_1^2\omega_2^2x^2\big]\ \Longrightarrow\ x''''+(\omega_1^2+\omega_2^2)\ddot x+\omega_1^2\omega_2^2x=0$$ $$H=\tfrac12\ddot x^2-\dot x\,\dddot x-\tfrac12(\omega_1^2+\omega_2^2)\dot x^2-\tfrac12\omega_1^2\omega_2^2x^2\ =\ \tfrac12(\omega_1^2-\omega_2^2)(A^2\omega_1^2-B^2\omega_2^2)$$
状態(\(\omega_1=2,\omega_2=1\))\(H\)(数値)\(H\)(解析)符号
モード1だけ \(A=1\)6.0000006.000000
モード1だけ \(A=2\)24.00000024.000000
モード2だけ \(B=1\)−1.500000−1.500000★★ 負
モード2だけ \(B=2\)−6.000000−6.000000★★ 負

モード 2 のエネルギーは負。\(B\) を大きくすれば \(H\) はいくらでも下がります ── 下に有界でない。これがオストログラツキーの不安定性です。

では実際に暴走するのか。\(\lambda x^3\) の結合を入れて探しました(\(A=B=1\) から 400 秒、\(|x|>10^6\) を暴走と判定。\(\lambda=0\) では \(H\) が \(10^{-12}\) で保存し、積分は信頼できます)。

\(\omega_1/\omega_2\)\(\lambda=0.01\)\(\lambda=0.1\)\(\lambda=1\)
2.00— 起きない— 起きない★ 6.8 秒
1.50— 起きない— 起きない★ 5.0 秒
1.10★ 28.6 秒★ 10.2 秒★ 4.7 秒
1.01★ 24.9 秒★ 9.9 秒★ 4.6 秒

07節の中心 ── ★ 予想が外れました

\(\omega_1/\omega_2=2\) の弱結合では、400 秒 走らせても暴走しません。ところが \(\omega_1\) を \(\omega_2\) に近づけると、弱い結合でも暴走します。★ 縮退に近いほど危ない ── 正負の部門の周波数が近いと、やり取りが効くからです。

正直に書きます:「四階は必ず即 暴走する」ではありません。確実に言えるのは \(H\) が下に有界でないこと。
── それでも下に有界でない以上、基礎理論としては使えません。「たまたま落ちないだけの椅子」に座り続ける理由がないからです。

練習問題

  1. 「二階が要るのは両方向のため」なら、電磁波が横波で二つの偏光を持つこととどう違うか。
    答えを見る
    別の勘定です。本回の「二階=両方向」は時間軸の話で、\(\Box=(\partial_t-c\partial_x)(\partial_t+c\partial_x)\) の 2 因子 = 右進行波と左進行波。
    偏光の 2 は空間の横方向の自由度(3 次元で進行方向を除いた 2)で、階数とは関係ありません。
    同じ「2」でも、一方は時間微分の数、もう一方は空間次元から来ています。第 14 回の「指数が整数から外れる理由は三つ」と同じで、同じ数字を見たら出どころを確かめるのがこの連載の作法です。
  2. ワールブルグ(\(\beta=-1/2\))が帯のまん中だとすると、帯の端 \(\beta=-1\) に当たる実在の素子は何か。
    答えを見る
    ただのばね(コンデンサ)です。\(Z=k/(i\omega)\) なので \(\beta=-1\)、\(\operatorname{Re}Z=0\) ── 無損失の境界。反対の端 \(\beta=+1\) は質量(インダクタ)で、こちらも無損失。
    帯の両端が「損をしない素子」で、内側がすべて「損をする素子」という構造です。
    ★ そして第 2 回のワールブルグは、ばねとダンパのちょうど中間(\(\beta=-1/2\))── 「半分だけ損をする」素子でした。
  3. 第 15 回の誤りは「計算間違い」か。そうでないなら何か。
    答えを見る
    計算ではなく、単位(何を \(\alpha\) と呼ぶか)の取り違えです。数値はどれも正しく、ワールブルグは \(-1/2\)、波動方程式は 2 で合っています。違ったのは、その二つを同じ軸に並べたこと。
    これは物理でいちばん多い間違いの型です ── 第 7 回の「意味があるのは無次元量だけ」も、第 14 回の \(|\det M|\) も、根は同じ「何で割ったか」の管理でした。
    ★ そして今回それに気づけたのは、\(\alpha=3\) と \(\alpha=4\) という帯の外側まで計算を伸ばしたからです。端を越えて初めて、端の定義が曖昧だったと分かりました。

まとめ 二階とは「両方向」、帯の幅 2 は二つの定理が交互に決めていた

第 28 回が残した「なぜ二階なのか」に答えました。

一階では振動できません(拡散は \(\omega=-iDk^2\) で純虚数)。おまけに伝播速度が無限大ですが、1 ns 後の 1 m 先は \(10^{-1.1\times10^{12}}\) ── 観測できる量ではありません。時間も空間も一階なら波は出ますが、片方向だけ。

二階の正体は「両方向」でした。\(\Box=(\partial_t-c\partial_x)(\partial_t+c\partial_x)\) と分解でき、数値でも山が高さ 0.5 ずつ左右に割れて \(\pm ct\) へ進みます。一階のまま両方向にしたければ平方根をとるしかなく、\(2\times2\) では反交換行列が 3 本しか作れない(表で確認)ので \(4\times4\) が要る ── ★ その代償がスピンでした。

三階は暴走します。\(\tau_0=6.27\times10^{-24}\) s で \(e^{t/\tau_0}\)、倍加時間 \(4.34\times10^{-24}\) s。ただしコンプトン時間の 1/206 なので、これは「古典電磁気を使ってはいけない所で使った」だけです。★ そして梯子で読むと一行で出ます ── \(W\propto\sin(\alpha\pi/2)\) が \(\alpha=3\) で負。第 12 回の式とアブラハム=ローレンツの暴走は同じ一つのことでした。

★★ 帯の幅 2 は、二つの定理が交互に決めていました。受動性 \(\cos(\beta\pi/2)\ge0\) が許すのは \(\beta\in[-1,1]\cup[3,5]\cup\cdots\) と4 おきの帯なので、\(\alpha=4\)(\(\beta=3\))は受動性では落ちません。奇数階は受動性が、偶数階はオストログラツキーが落とす。四階の \(H=\frac12(\omega_1^2-\omega_2^2)(A^2\omega_1^2-B^2\omega_2^2)\) は下に有界でなく、ただし実際に暴走するかは周波数比しだい ── \(\omega_1/\omega_2=2\) の弱結合では 400 秒 何も起きませんでした。

★ そして本回は、このシリーズ自身の第 15 回を二か所 訂正しました。
① 長方形の両端は別々の単位で測られていた(\(\beta\) と \(\alpha\))。
② 下端の理由は因果律ではなく受動性。そもそも \(-1/2\) は端ではない。

反証可能だと宣言した以上、自分の回も採点対象です。正しい帯は \(\beta\in[-1,+1]\)、幅ちょうど 2 ── 一階ぶん ずつ 両側でした。

この文書は「考える波」シリーズ第 29 回です。計算は kenshou/nikai.js で行っています。本回の数値について:波動方程式の数値解、作用素の因数分解の検算、パウリ/ディラック行列の反交換子、アブラハム=ローレンツの暴走、一周期の仕事 \(W\)、パイス=ウーレンベックの \(H\) と暴走の走査は、すべて本稿で計算したものです。ダランベールの解、ディラック方程式と \(\gamma\) 行列、アブラハム=ローレンツの \(\tau_0\)、受動性と正実関数の関係、オストログラツキーの定理、パイス=ウーレンベック振動子は、いずれもよく知られた結果で本稿の発見ではありません ── 本稿がしたのは、これらを「階数」という一本の軸に並べ、第 15 回の主張を採点し直したことです。07 節の暴走の走査は \(\lambda x^3\) という特定の結合・特定の初期条件(\(A=B=1\))での結果で、パラメータ空間を尽くしてはいません。「安定に見える島」の存在自体は文献でも報告されていますが、本稿はその分類をしていません。03 節の「\(2\times2\) では 3 本が限界」は 3+1 次元に必要な 4 本が作れないことを示したもので、クリフォード代数の一般論(\(N\times N\) では \(2\log_2N+1\) 本まで)は導出していません。04 節の前加速は式から従う性質を述べたもので、本稿は数値計算していません。 ── 印刷する場合はブラウザの「印刷」から「PDF に保存」を。

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