| 線 | 格付け | この日の検証 |
|---|---|---|
| 並進不変な網は副格子依存の符号を表現できない | 自明(局所性と対称性の帰結) | N = 12 で重なり 0.40、転移で 0.11 |
| 副格子ラベルを足せば Marshall 則は局所項の和 | 自明 | 符号一致 100%、N = 16 で重なり 0.98 |
| 符号構造の汎化は NQS の課題 | Westerhout ら 2020 | J₂ = 0.8 で 90% → 86% |
| 局所+対称な網は大きい系を見ずに大きい系で勝つ | 既知(CNN-NQS の系譜) | 3.2% vs MLP 直接 7.3% |
| 「入れてはいけない対称性」という読み | この地図の語り | — |
第11回の MLP は入力の長さが固定で、別の大きさの系には使えない。そこで第2回の畳み込みを使う:円環状の 1 次元畳み込み(カーネル 3、8 チャンネル)を二層、サイトごとの特徴を足し合わせて、対数振幅と位相の二つを出す。位相を局所項の和にしてあるのは、Marshall の符号 (−1)^{n_A} が「A 副格子のサイトごとに π を足す」で書けるからである。同じ重みが任意の N に使える。
J₁–J₂ 鎖の N = 12(S_z = 0、924 状態)で全状態の厳密なエネルギー最小化(第11回と同じ、サンプリングなし)で学習し、重みを固定したまま N = 16(12,870 状態)に当てて、厳密な基底状態と比べる。測るのは重なり |⟨ψ_exact|ψ_net⟩|² と、振幅で重み付けした符号の一致率(偶然なら 0.5)。
| J₂ | E 誤差(N = 12) | 重なり N = 12 | 符号一致 N = 12 | 重なり N = 16 | 符号一致 N = 16 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 22% | 0.40 | 0.72 | 0.11 | 0.65 |
| 0.8 | 28% | 0.45 | 0.74 | 0.00 | 0.50 |
学習の段階で既に失敗している。理由は構造的で、Marshall の符号は「偶数サイトの上向きの数」の偶奇だが、並進不変な局所の畳み込みは、スピンの値だけからは自分のサイト番号の偶奇を知りえない。どれだけ層を重ねても表現できない。第2回の格子ゲージ理論では「対称性を入れないと学べない」だった。ここは逆で、系が持っていない対称性(1 サイトの並進)を網に入れると、系が持っている構造(副格子)が消える。
入力に (−1)^i のチャンネルを足す。網は 2 サイトの並進には不変のまま、副格子を見分けられる。
| J₂ | E 誤差(N = 12) | 重なり N = 12 | 符号一致 N = 12 | 重なり N = 16 | 符号一致 N = 16 | E 誤差 N = 16 | 重なり N = 20 | 符号一致 N = 20 | E 誤差 N = 20 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 1.2×10⁻³ | 0.997 | 1.000 | 0.981 | 1.000 | 3.6×10⁻³ | 0.952 | 1.000 | 5.7×10⁻³ |
| 0.8 | 2.7% | 0.51 | 0.895 | 0.47 | 0.864 | 3.2% | 0.42 | 0.816 | 3.4% |
| 回 | 対称性と学習 |
|---|---|
| 第2回 | ゲージ対称性を入れないと、普通の CNN は何も学べなかった(入れるべき対称性) |
| 第5回 | attention はホップフィールド、層は時間:構造が同じだから計算できる |
| 第11回 | 符号は本体。教えれば一瞬、学ぶのは難しい |
| この回 | 系にない対称性を入れると符号を表現できない(入れてはいけない対称性)。正しく入れれば、符号は大きさを跨いで転移する |
対称性は「多いほど良い」のではなく「系と同じだけ」が正しい。くりこみ群(第1回)で relevant な結合を残し irrelevant を捨てるのと同じで、網に入れる対称性は、系の対称性の写しでなければならない。
scripts/nqs_transfer.py(出力 nqs_transfer_out.txt;失敗した版は入力チャンネルを 1 本にすれば再現できる)